県内で「名義貸し」トラブル後絶たず
県内で独居老人や生活保護受給者らを狙った特定の営業員による健康食品や器具、布団などの訪問販売に絡み、消費者から「契約内容が書かれていないクレジット契約書に、名前だけ書かされた」といった内容のいわゆる「名義貸し」トラブルが相次いでいる。中には、個人で1千万円を超える契約を結ばされたケースもあった。県消費生活センターは契約書面の不交付を理由にクーリングオフして消費者の被害は避けられたが、後を絶たない悪質行為への対応に苦慮している。
センターによると、問題となっているのは60歳代の女性営業員で、トラブルに巻き込まれたのは県内に住む50?80歳代の男女。1人暮らしやクレジット契約に疎い高齢者、認知症などの症状がある人を中心に狙ったとみられる。
この営業員は突然、県内在住の生活保護受給者男性を訪ね、健康状態について質問。男性が「病気がちだ」と答えると、販売員は「体にいいものだから」と健康食品や磁気ネックレスを置いていった。
その後、何度も男性宅を訪問し「自分が料金を払うから名前を書いて」などと、言葉巧みに担当者名、代金総額が書かれていないクレジット契約申込書にサインを求めた。
その後も男性は次々に契約を持ち掛けられ、総額300万円のクレジット契約を結ばされた。いずれの契約についても、営業員は契約内容の控えを交付していなかった。契約後、数カ月間は約束通り営業員が支払いをしていたが、突然支払いを止め、男性の元に信販会社から請求が来るようになったという。
営業員は同様の手口で1人暮らしの高齢者の話し相手になったり、自分の車で買い物に連れて行くなどして信用させ、消費者が断ろうとすると、これまでの恩を盾に態度をひょう変させて契約を迫ったという。
この営業員によるトラブルは2001年4月から報告され、営業員が同年秋に秋田県内で詐欺容疑で逮捕されてからは一時寄せられなくなった。しかし今年1月から再び急増し、これまで県消費生活センターに寄せられた相談だけで18人、契約総額は約3500万円に上っている。
県内では最近でも、弘前市の呉服業者が架空名義のクレジット契約を結ばせるなど、信販契約の際に「迷惑を掛けない」などの文言で名義貸しを迫るトラブルが急増。実質的な被害も出ている。
センターは「サインをした場合、契約者自身にも責任が生じる。クーリングオフ適用可能な場合もあるが、安易にサインしないでほしい」と呼び掛けている。
陸奥新報 - 2006年12月3日
posted by masahiro @ 5:51 午前
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