2006/12/11

破格好待遇で“温泉救世主”公募

観光客の減少に悩む静岡県東伊豆町の「稲取温泉観光協会」が全国から事務局長を公募したところ、団塊の世代を中心に3週間で400件以上の問い合わせが殺到していることが10日、分かった。「年収700万円、成功報酬100万円のほか、庭付き一戸建て無償提供」の厚遇に、米国やスペインなど海外からも問い合わせが相次いでいる。

 事務局長のポストは、前任者の退職に伴い04年4月から空席となっている。もともと会議の運営や資料作成など、協会運営の雑務の責任者。今回はイベントの企画、広報など、地域活性化の“総合プロデューサー”という位置づけだ。

 募集は先月20日からインターネット上で開始。問い合わせは10日までの21日間で、60歳前後を中心に400件を超えた。同協会の職員田村佳之さん(29)によると、北海道から沖縄まで全国各地から殺到し、中には「素人だが、主婦の知恵を生かしたい」など女性からの問い合わせも40件前後あった。

 さらに米国、スペイン、台湾など海外からも5件あった。「海外に住んでいるのだが、大丈夫か?」といった内容がほとんどで、田村さんは「まさか国際電話がかかってくるなんて思いもしなかった。さすが情報化社会だ」と、想像以上の反響に驚きを隠せない様子。

 応募書類が送付されてきたのは現在15件。大手旅行代理店でツアー商品の開発を行っていた経歴を持つ都内在住の60代男性は「自分の経験を生かしたい」と応募。都内に住む自営業の60代男性は「趣味は旅行。多くの観光地を訪れた経験が役立てば」と残りの人生を町おこしにかけるという。80歳を超す年配の希望者もいた。

 公募の背景には観光客の激減がある。バブル期の90年で年間約82万3000人だった宿泊客は、昨年約48万人にまで落ち込んだ。経営不振や後継者不足により、ピーク時で32件あった温泉旅館(ホテルも含む)も23件にまで減少。町中で「もう限界」「何とかしてくれ」との悲鳴が上がり、観光客目線で働ける人材登用に踏み切った。

 優秀な人材を確保するため、地方の観光協会の職員としては“破格”の好待遇を打ち出した。年収700万円は、大型旅館の支配人クラスの給料から算出。宿泊者数を5%増加させれば、最高100万円のボーナスも。町内の一等地に無料の住宅まで用意している。

 応募資格は年齢、性別、学歴不問。「東伊豆町に居住できる」ことが唯一の条件。履歴書のほか、400字詰め原稿用紙で1000字以内の自己アピール文、2000字以内の論文を協会に郵送。論文テーマは「応募の動機」と「私が取り組みたい稲取温泉の活性化策」。締め切りは来年1月15日。書類審査に通過すると、2月4日にグループ面接。さらに、「お酒の席だからできる本音を聞きたい」との理由から同日夜には地元住民と“飲み会面接”。2月中旬に採用者を発表予定。勤務期間は4月1日から2年で、実績によっては契約更新も可能。

スポーツニッポン - 2006/12/11

posted by masahiro @ 8:52 午前

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