2006/12/24

財政再建の手法

来年度の予算編成の財務省原案が決まりました。これについてのコメントを今日は行い、今後の財政再建の眼目とでも言うべきものがどういうふうに移っていくのかというお話をさせていただこうと思います。

 今回の予算編成の基本方針は「骨太の方針 2006 (「経済財政運営と構造改革に関する基本方針 2006 」)」という小泉内閣時代の骨格をそのまま受けたものと言ってよいでしょう。そして景気の上昇とともに法人の収益が好転しましたので、法人税が上昇基調に入ったということが大きいと思います。一つの特徴は来年度の新規の国債発行額を本年度より 4.5 兆円減らすことができるということです。

 それからもう一つ、隠れてはいるのですが地方交付税交付金の問題があります。これまでは地方自治体における一定の業務を行うためにはお金が足りないということで、ただ単に国税の一部を回すだけではなく、さらに、足りない分というものを借金をしていたわけですが、その国の負担分が必ずあったわけです。国税の一定割合を地方交付税交付金に回すだけにとどまらず、さらに国が負担し借金を負うという特別会計にそれが入っていたわけです。しかし今回はこれを 14 年ぶりに国の負担で借入金をせず、それに加えて債務の償還費として 1.7 兆円を計上しています。つまり広い意味での国の借入金が 1.7 兆円減ったということになります。新規の国債発行額が 4.5 兆円減り、さらに償還費が 1.7 兆円あったというふうに考えますと、前年度比で 6.3 兆円の財政健全化の果実が上がったということになります。

21世紀政策研究所 - 2006年12月21日

posted by masahiro @ 2:34 午後

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