「心地良さの市場」を中国に作り出そう
LVMHモエ ヘネシー・ルイ ヴィトンの2005年度地域別売上高構成比は、日本が全体の14%、日本以外のアジアが17%だった。「日本以外」の大半は大陸中国と香港、台湾、韓国である。バッグなどの革製品だけに限れば、同構成比の合計は5割を超えるとされる。この数字だけを見ても東アジアが世界に冠たる「贅沢品マーケット」であることが分かる。この傾向は今後ますます強まっていくに違いない。 LVMHモエ ヘネシー・ルイ ヴィトンの2005年度地域別売上高構成比は、日本が全体の14%、日本以外のアジアが17%だった。「日本以外」の大半は大陸中国と香港、台湾、韓国である。バッグなどの革製品だけに限れば、同構成比の合計は5割を超えるとされる。この数字だけを見ても東アジアが世界に冠たる「贅沢品マーケット」であることが分かる。この傾向は今後ますます強まっていくに違いない。
先日、ある日本のファッション関係企業の経営者とお会いした。その会社は製品のほぼ全量を中国で生産し、日本に輸出している。もちろん他国にも売りたいのだが、大量生産の低価格品では米国や中国の企業に太刀打ちできない。日本市場は人々の目が肥えていて、品質に対する基準が高く、値段への要求も厳しいマーケットだが、単なる価格競争だけの市場ではないので、日本企業の生きる余地があると話しておられた。商品に対する選択眼を持った分厚い中間層の存在が日本企業の生存基盤になっているのである。
上海では近年、百貨店やコンビニなどの流通業やファストフードなどの外食産業、化粧品、加工食品といった日常生活に密着した業種で日系企業の存在感が日々大きくなっている。これは社会が豊かになってモノは充足するようになり、「心地の良い生活」というソフト面に市民がお金を出すようになってきたことの表れと思う。
直接的な企業収益に結びつくかどうかは別として、「日本的なサービス」「日本的なディスプレイ」「日本的なパッケージ」「日本的な物流システム」といった、よりソフト的な領域では「日本的なもの」の社会的な浸透度は想像以上のものがある。中国政府や中国人自身が認めるかどうか、あるいは気がついているかどうかは別として、この点、日本人は大いに誇ってよいことだと思う。
日経ビジネス オンライン - 2006年12月26日
posted by masahiro @ 8:58 午前
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