デパート「最高の売り場はエスカレーター周辺」
今も昔も商売というものは地の利を得なければ成功できないだろう。
では、高級デパートの内部にもとりわけ「地の利のきく」ところがあるのだろうか。
それは当然だ。一見すると、広々とした場所に様々なブランドが適当に入居しているように見えるが、実はそうではない。
各デパートでは厳格な基準で、フロアごとに地の利のきく「いい場所」を決めてある。そしてここには最高のブランドを配置する。
新世界(シンセゲ)デパートの本店や江南(カンナム)店、ロッテデパートの本店、現代(ヒョンデ)デパートの本店や貿易センター店、ギャラリアデパートの「ブランド品館ウェスト」など6つのデパートの最高の売り場を分析してみた。
●VIP駐車場の出入り口付近もいい
全てのいい場所がそうであるように、デパートのいい売り場の基本前提も「人通りの最も多いところ」という普通の真理から出発する。
顧客が行き先のフロアまでエレベーターに乗って一度に上がるより、エスカレーターに乗って各フロアを一通り見物するように仕向けてこそ、商売に有利だ。
このため多くのデパートでは、流動人口が最も多いエスカレーター周辺を最高にいい場所とみなしている。
このような基本的な前提のもとに、様々な条件が付け加えられる。
ギャラリアデパートのブランド品館ウェストはエスカレーター周辺のうち、左側を最高の場所とみなしている。
これは長い間の観察結果、顧客たちが無意識のうちに右より左に足を運ぶケースが多いということに気づいたからだ。「医学的にも人は右よりは心臓のある左に動くのが自然」というのが百貨店側の説明だ。
ロッテデパートは、エスカレーターの中でも下りより上りのほうがさらによい場所とみなしている。買い物が終わって帰るために降りてくる顧客よりこれから何か買うためにうきうきした気持ちで上る顧客の多い売り場のほうが有利だからだ。
しかし、本店の1階だけはエスカレーターが下りる側の方が最高の場所だ。降りてくるエスカレーターがいみじくもデパートの正門の向かいがわにあるからだ。ここを「シャネル」「クリスチャンディオール」「マック」などの海外ブランド品が占めている。
海外ブランド品店舗の多い新世界デパート江南店2階の最高の位置は、エスカレーター周辺ではなく、駐車場から店舗に入ってくる出入り口付近だ。この2階の駐車場がデパートの最大顧客の「VIPの駐車場」だからだ。ここは「バーバリー」が場所を取っている。
衣料売り場のフロアでは片隅の壁隣に位置している、いわゆる「ボックス売り場」側にいい場所が多い。
価格の安いカジュアル・ブランドは人通りの多いエスカレーター周辺がいいが、高級衣料は顧客を穏やかな気持ちにさせる静かなところでよく売れるからだ。
●効率性と顧客の嗜好によって場所を配置することも
デパートごとにいい売り場を提供する基準が少しずつ違う。
面積に比べて売り上げがよく、効率性の高いブランドを重視する場合が多い。しかし、場合によってはデパートの主要顧客の性向とよく合うデザインメーカーを前に配置することもある。たまには「身びいき」のケースも目に付く。
新世界本店や江南店は、9階の生活用品の売り場に自社ブランドの「フィション」を、いい場所に電撃的に配置した。
ギャラリアのブランド品館ウェストも、デパート側がみずから運営する輸入マルチショップ「ススティーブ・アラン」に2階のいい売り場を提供した。
女性衣料メーカーの中では海外ブランド「ハンソム」がいい場所を独り占めした。
同社ブランド「マイン」はなんと5ヶ所を占めて最多を記録し、他のブランド「タイム」も3ヶ所を占めている。
東亜日報 - 2007年1月8日
posted by masahiro @ 4:31 午前
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