賭けに出たキヤノン SED単独事業化 熱冷めた東芝
キヤノンが12日、東芝と共同で進めていた次世代薄型テレビ「SED(表面電界ディスプレー)」事業を単独で展開することを決めた。同社にとっては、まさに悲願でもある「家電事業」への進出に向け、大きな賭けに打って出たといえる。SEDへの熱が急速に冷めてきたとされるパートナーの東芝との温度差も、単独へと背中を押したようだ。
同社がSEDの開発に着手したのは、1986年。99年には、東芝との共同開発に踏み切り、「自前主義」といわれてきた研究開発体制を大転換してまで、事業化に意欲を燃やしていた。
当初の商品化の予定は、2006年3月だが、量産体制の整備を理由に、07年10?12月まで延期していた。キヤノンとしては、08年の北京五輪商戦に間に合わせる上でも、さらなる延期は許されない状況に追い込まれていた。
高収益を誇るキヤノンだが、主力事業であるデジタルカメラや複写機、プリンターは市場の成熟化が進んでおり、新規事業の育成は急務。内田恒二キヤノン社長が、「テレビ市場は数量がすごい」と話すように、テレビなど市場規模の大きな家電事業は、同社にとって垂涎(すいぜん)の的だった。
フジサンケイ ビジネスアイ - 2007/1/13
posted by masahiro @ 2:48 午前
0 件のコメント:
コメントを投稿
<< ホーム