『へしこ』に血圧下げる効果 県立大教授がネズミで実験
福井県立大生物資源学部長の赤羽義章教授(69)が、サバのぬか漬けの「へしこ」が血圧を下げる効果があることをネズミを使った実験で確認し、学会で発表した。サバの肉が分解(発酵)する過程で増える「ペプチド」と呼ばれる物質が影響していると見ている。 (池上浩幸)
実験は、遠心分離器を使って抽出したへしこのエキスをネズミの口から投与、血圧の変化を調べた。
それによると、二二〇あった血圧が四時間後に三〇下がって一九〇になった。さらに、生後五週間のネズミに対して七十日間与え続けたところ、与えなかったネズミとの違いが三十日後に明らかになった。また、十日間連続投与し、その後、四週間休んでも血圧が上がらず一定の数値を保ったネズミもいた。
生のサバの段階で同様の実験をしたが、へしこほどの劇的な変化は見られなかった。
ペプチドは、血圧を下げる効果があるとされるが、実験の結果、サバからへしこになる段階で四・八倍に増えることが分かり、これが体内に影響を与えているとした。
へしこは、漁具の改良により若狭湾でサバが水揚げされた江戸中期から盛んになったという。塩辛く、体に刺激を与えるが、「不健康な食品なら、三百年以上も存在しないのでは…」(赤羽教授)という疑問がきっかけとなって研究を始めた。
赤羽教授は「ネズミに効果があるのだから、人間にも期待できる。ただ、高濃度の食塩を使う食品なので、血圧を下げても、血管系の老化や胃を荒らすことにつながる。健康食品にするならば、低塩分にすることが課題になるのではないか」と話している。
中日新聞 - 2007/2/15
ラベル: へしこ、ペプチド
posted by minasan @ 6:04 午前
0 件のコメント:
コメントを投稿
<< ホーム