2007/01/24

消費者金融大手 新ビジネスに不透明感 “冬の時代”長期化も

消費者金融大手のアイフルや、米シティグループ傘下のCFJ(東京都)が有人店舗の8割削減といった大胆なリストラ計画を打ち出したのを受け、市場では早くも消費者金融の新しいビジネスモデルに関心が高まっている。改正貸金業規制法で2009年末をめどに灰色金利の撤廃や貸付残高の総量規制が実施される予定で、大幅な減収が避けられず、収益源の多様化が迫られているためだ。ただ、これまでの無担保ローンの減収をすべてカバーできるかどうかは不透明で、消費者金融の“冬の時代”が長期化するとの見方が強まっている。  「10年に大手の無担保ローンの貸付残高は06年9月末に比べて5割減少し、平均貸出利回りも同23%から16・5%に低下する」。  米大手格付け会社のスタンダード・アンド・プアーズ(S&P)が18日まとめた、改正貸金業規制法による消費者金融大手5社の収益への影響(試算)は、厚い利ざやをバックに他の業態が融資をしない高リスクの顧客を幅広く取り込んできた、各社のこれまでのビジネスモデルの転換が避けられないことを裏付けた。  そこで、新しいビジネスとして考えられているのが、他の金融機関から与信管理と債権管理・回収を引き受ける「保証業務」や「事業者ローン」「海外業務」などだ。  すでに各社が地銀やメガバンクと提携して進めている保証業務は、資金調達がいらず、一定の手数料も見込めるため、今後も拡大が期待できる。 ただ、S&Pの岩間晃一アナリストは「行政処分などによる評判の低下で、銀行が消費者金融との距離を置く可能性もあり、各社の思惑ほど増加するかは不透明」と指摘する。  一方、中小、零細企業を対象とする事業者ローンは、貸出金利が10?18%。銀行の5?6%に比べると高いが、アイフルは住友信託銀行と合弁会社を設立し、一定の需要の掘り起こしに成功している。もっとも、同分野は新銀行東京など銀行も進出意欲が高い激戦市場。単独よりも銀行との提携活用などがカギを握る見込みで一朝一夕にはいかない。  海外事業は潜在需要はあるものの「当面、ボリュームは見込めず収益貢献には時間がかかる」(岩間アナリスト)見通しで、リストラを実施しても、その後の新たなビジネスモデルの確立には時間がかかりそうだ。  なお、アイフルは有人店舗のほぼ8割を9月までに閉鎖し、有人、無人合わせて1000店体制に削減。CFJは有人店舗320店の8割超にあたる約270店のほか、自動契約機800台のうち約100台をそれぞれ年度内にも閉鎖する。さらにアコムなど国内大手も100店規模での店舗統廃合計画を公表している。                    ◇ 【改正貸金業規制法】 出資法の上限金利(年率29・2%)と利息制限法の上限金利(同15?20%)の間の灰色金利、いわゆるグレーゾーン金利の2009年末の撤廃が柱。上限金利は年率20%まで引き下げられる。これまで貸金業者の金利帯は灰色金利に集中し、多重債務者を生む要因の一つとされていた。 フジサンケイ ビジネスアイ - 2007/1/23
posted by masahiro @ 4:58 午前

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