北京に英「テスコ」1号店 ブランド名前面、他の欧米勢追撃
【ロンドン=蔭山実】英スーパー最大手のテスコが中国で初めて「テスコ」の自社ブランド名で店舗を開設し、とどまるところを知らない「テスコ帝国」の印象をさらに強めている。これまでは中国企業との合弁で、店舗の名称は中国名だった。中国の急速な経済成長で国民も欧米ブランドを信用する傾向を強めており、欧米小売り企業の中国進出は新たな段階を迎えているようだ。 テスコはすでに中国では計46店舗を開設しているものの、提携する中国の小売り企業が使用している名称を優先し、表向きは「テスコ」のブランドは表向きには使用してこなかった。だが、26日に北京で「テスコ」名の1号店をオープンした。 欧米の欧米の大手スーパーがすでにしのぎを削っている中国市場に正面から勝負を挑み、中国のローカルのスーパーを駆逐して、欧米小売り企業で先行する米国のウォルマートや、フランスのカルフールのシェアを奪おうとうかがっている。 小売業コンサルタントはBBCテレビで、「中国人も外国ブランドへの抵抗はなくなっている。『テスコ』が英国のスーパーだとは知らなくても欧米の大手スーパーチェーンであることは分かっている」と語り、テスコの新戦略は的確だとの見解を示した。 ただ、テスコが中国でもトップになるには他の都市にも店舗を開設してシェアを上げていくことが不可欠だ。「北京や上海といった大都市だけでなく、周辺の中規模、小規模の都市に速く進出できるかは大きな試練だ」(小売業コンサルタント)と、課題もある。 中国で欧米の大手スーパーが話題になる背景には急速な経済成長で中国でも中産階級が増大し、ローカルのスーパーの店頭に並ぶ商品では満足できなくなっているという実情がうかがえる。 BBCは26日、北京の「テスコ」1号店の店内が同日午前8時の開店から1時間もしないうちに満員になる様子を伝え、ある買い物客は「ローカルの店では買い物をしたくない。偽物が多くて信用できないからだ」と語り、テスコに期待した。 中国の消費者の間では欧米のスーパーの商品の方が信頼できるという意識が定着しつつあり、テスコもそうした消費者の要望に応え、「ローカルのスーパーにはない高品質の商品が安く手に入る店」を売り物にして中国での浸透を図る意向だ。 だが、食材が主力商品のスーパーにあって難しいのは食文化の相違だ。「テスコ」1号店では中華専用の食材も豊富にそろえ、肉類では英国産は見る影もないという。それでもローカルのスーパーよりも安い鶏卵に殺到しつつ、中華専用の食材には本物かどうか疑問に思う買い物客もいた。 経済成長とともに中国人の生活レベルも欧米に近づく中でローカルのスーパーはもはやテスコの敵ではないといわれる。それよりも中国の消費者の好みにあった商品を開発し、ウォルマートやカルフールの客足をいかに奪うかはもう1つの大きな課題といえる。 テスコは英国内ではほぼ小売市場を独占する状態にあり、これ以上の成長は望めず、海外市場への進出が成長のかぎといわれる。ただ、米国進出にも着手する中で食文化の異なる地域での成否はより重要とされ、北京での「テスコ」1号店の業績が注視されている。フジサンケイ ビジネスアイ - 2007/1/30
ラベル: ブランド
posted by minasan @ 3:05 午後
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