観客が出演者を採点(「B1角座」)
生の「笑い」に触れる場が東京でも大阪でも増えてきた。吉本興業や松竹芸能などの芸能プロダクションが相次いで舞台を増やしている上、寄席や文化施設も充実しつつある。若手を中心に火がついた近年のお笑いブームは一過性の現象に終わることなく、目の肥えた大人をも巻き込んで定着の気配を見せている。
大阪・道頓堀の演芸場「B1角座」はその名の通り、地下1階(B1)にあるが、8月初旬にも同じ「KADOZAビル」の3階という、「日の当たる場所」に移る。客席数は約3倍の350?400席程度に増え、名前もライブスペース「角座」として生まれ変わる。
「角座」復活させるのは、大阪を地盤とする芸能プロダクションの松竹芸能。笑福亭鶴瓶やオセロ、ますだおかだ、横山ホットブラザーズといった人気者を抱えている関西の雄だ。関西圏に住む人には常識かも知れないが、お笑いの世界に明るくない人にとって、吉本興業のイメージが強すぎて、ほかのプロダクション・芸能事務所の存在は分かりにくいようだ。しかし、松竹芸能は「王者・吉本」に続く勢力と言える。
2004年に開場した「B1角座」は120席余りしかなかったので、近年のお笑いブームで満員札止めとなってしまうケースがしばしばあり、座席数にもっと余裕のある劇場を求める声があがっていた。新劇場となる場所は親会社の松竹が映画館として使っていたスペースだ。
江戸時代に始まった「角座」は「中座」「浪花座」などとともに「道頓堀五座」の一角に数えられてきた。 戦災で焼失した後、1958年に1000席を優に超える大型演芸場として再建された。旧角座は中田ダイマル・ラケットやかしまし娘らが大入りを呼んだ、往年の笑いの殿堂だ。
しかし、「角座」は84年に閉館しており、「角座」という名前の本格的な笑いの常設劇場は23年ぶりの復活となる。松竹新喜劇の名優、藤山寛美さんがホームグラウンドにしたは中座は1999年に閉館。2002年には浪花座が閉じ、「道頓堀五座」はすべてが歴史に幕を下ろした。
吉本興業のタレントが出演するお笑いライブが無料で見られるという異色の劇場が、2006年3月に東京・渋谷にオープンした「ヨシモト∞(無限大)ホール」。
同9月からは大阪・難波でも本格スタートした。渋谷では年中無休で入場無料。テレビやパソコンでの視聴も採り入れたクロスメディアの試みだ。同社はシニア向け動画配信サイト「よしもと笑うシニア.com」もグループ会社を通じて運営している。
日本経済新聞 - 2007年2月14日
ラベル: B1角座
hotclick さんの投稿 @ 17:24
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