運動遊びで「こころ」成長 豊岡市教委が取り組み
兵庫県豊岡市教育委員会は、保育園児や幼稚園児を対象に、体を動かすことを推奨する「運動遊び事業」を展開している。幼児期の友達との遊びが脳を刺激し活性化を促すといわれており、同時に我慢の中枢も養われるという。市教委は来年度から小学生を対象に取り組み、子どもたちの一層の心身健全化を目指したいとしている。 少子化やテレビゲームの普及により、昔のように友達と一緒に遊ぶことが少ないなど、今の子どもたちの遊びは「動」から「静」へ移行。体力低下に加え、「キレる」「荒れる」「校内暴力」などが社会問題化している。 同事業は、松本短期大学(長野県松本市)の柳沢秋孝教授が考案した運動プログラムに基づく。豊岡市教委職員の仲義健さんが六カ月間、柳沢教授の下で研修を受けた。 柳沢教授によると、運動で脳の前頭葉の運動葉が刺激されることにより、我慢の中枢が活性化し、人間らしい「こころ」が発達。さらに、友達同士の楽しいコミュニケーションで抑制力や相手を思いやる気持ちがはぐくまれるほか、達成感や満足感が自信につながるという。 長野県では箕輪町など三市町村の保育園児を対象に実施。「人の話をよく聞くようになった」「体を動かすことが好きになった」など評判は上々だという。 仲義さんは今月二日から豊岡市内七つの保育園や幼稚園を巡回。三?五歳児と一緒にクマやカンガルーになって歩いたり跳んだり、足によるジャンケンゲームなどを行っている。一回三十?五十分間取り組みながら、当面「動ける体」づくりを目指す。 また、同市教委は神戸親和女子大学(神戸市)と提携し、子どもの生活実態や運動能力のデータを分析した上で、独自の運動プログラムを作成。来年度から市内三十ある小学校の中から三校を選び、同事業を推進していく考えだ。 「元気な子どもが育つよう全力で頑張りたい」と意欲を見せる仲義さん。石高雅信豊岡市教育長は「幼児からさらに枠を広げた取り組みで、社会問題化している子どものいじめや悲惨な出来事に歯止めがかかれば」と期待している。
日本海新聞 - 2006年11月14日
posted by masahiro @ 8:30 午前
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