2006/12/21

医療保険を日数制限でリハビリ打ち切り、推計3700人 香川県保険医協会

四月の診療報酬改定に伴い、公的医療保険で受けられるリハビリテーションに日数制限が導入された問題で、香川県内では十月以降に約四百二十人の脳血管疾患患者がリハビリを打ち切られたことが、県保険医協会(三木登志也理事長、会員五百八十人)の調査で明らかになった。同協会は、同疾患の患者全体では約七百四十五人に上ると推計。呼吸器や運動器など他の疾患を含めると、三千七百人以上がリハビリを継続できなくなったと分析している。

 同会が加盟する全国保険医団体連合会の全国調査から、香川県分を抽出・分析した。調査は十月下旬、香川県内の脳血管疾患等リハビリテーションΙ(脳血管疾患などを対象とする専従医師や作業療法士の常勤などの条件を満たす医療機関)の届け出医療機関二十施設を対象に実施。十一施設から回答があった(回収率55%)。

 日数制限に関する医療機関の意見も調査。「明らかな効果がなくても、状態が維持されていればリハビリ効果として認めるべき」「高齢者はリハビリの中断で精神的にダメージを受けている」など、日数制限への疑問やマイナス面を指摘する声が寄せられた。

 同協会は「状態の改善が認められる場合は日数制限の対象除外だが、機能の維持を図る場合や症状の悪化を防ぐリハビリを否定する現行制度は問題がある。今後も実態調査を継続し、世論に訴えたい」としている。

 一方、全国調査は千四百五十四施設に調査票を送り、五百六十二施設が回答(回収率39%)。約一万七千五百人の脳血管疾患患者がリハビリを中止していることが分かり、同疾患だけの推計で約四万五千人、他疾患を含めると約二十万人以上が継続できなくなっていると予想している。

 リハビリ治療の制限日数は、脳血管疾患などが百八十日、運動器と心大血管疾患が百五十日、呼吸器疾患は九十日。

四国新聞 - 2006年12月16日

posted by masahiro @ 7:28 午後

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