2006/12/24

個人年金について 経済ジャーナリストの荻原博子さん

景気は回復傾向にあるものの、消費税率の引き上げなど、家計の負担増をにおわすニュースが後を絶たない。そんな時代にあって、お金を貯めるにはどうすればいいのか。『荻原博子のみるみる貯まる!お金の本』(学習研究社刊)の著者で、経済ジャーナリストの荻原博子さんに、家庭でお金を貯めるポイントを聞いた。

 貯金をする際、住宅ローンの頭金や教育資金、個人年金……など、細かく分けている方がいます。でも、何が合理的な方法なのかを考えてみましょう。

 人生には3つのハードルがあります。マイホーム、教育資金、老後です。いきなり3番目のハードル・老後を飛び越えようとすると、引っかかってしまいます。1つずつ全力投球することが重要なのです。

 マイホームが必要なければ構いませんが、最初に住居購入の頭金に全力を注げば、ローンが少なくて済み、2番目のハードル・教育資金に回すことができます。老後の資金は、子供の手が離れた後に貯めることができますよね。

 問題なのは、若いうちから老後のために個人年金をやっている方。従来型の個人年金は、運用利回りがとても低いんです。変額個人年金の場合は手数料が高く、運用利回りが上がりも下がりもしなければ、預けた1000万円が半額になるおそれもあります。

 そんな不安定なものに預けるのではなく、預貯金をして、住宅ローンの頭金にした方が合理的ですよね。住宅ローンで3000万円借りれば、実際の返済額は5000万円。頭金が多ければ借りる額も減らせ、返済額が少なくなります。

 教育資金の考え方も同じです。幼いころからあれこれたくさん習い事をやらせても、実になるのはほんの一部。一番お金がかかるのは高校・大学です。幼いころにはお金をかけず、住宅ローンの返済に回し、子供が自分の将来を真剣に考える高校・大学の時期に、出してあげればいいと思います。

日本経済新聞 - 2006年12月4日

posted by masahiro @ 4:04 午後

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