健康食品「BBcube(ビービーキューブ)」を発売
「ヤクルト」の海外市場での販売が好調だ。現在、日本を含め27の国・地域で販売され、国内の販売本数は1日平均約900万本、海外では同1600万本以上にのぼる。1964年の台湾を手始めに、最近ではオーストラリア、北京などで営業を開始した。
もう一つ好調なのが、医薬品事業である。その牽引(けんいん)役となっているのが、がん化学療法剤「エルプラット注射用100mg」だ。05年3月に輸入承認を受け、同年4月から国内販売を開始したが、今期は既存の自社開発抗がん剤「カンプト注」を大きく上回る実績となる見通しだ。「この2つの薬剤が、医薬品事業の売上高構成比(全体の15%)を高めてきている」と広報室長兼環境対策室長の中村幸夫氏。
一方、国内市場での乳製品の伸びがいまひとつなのが悩みといえば悩み。「海外でこれだけ多く飲まれていることを国内で伝えることも、商品価値を認めてもらう一つの方策」という。そのためにもヤクルトの乳製品に使われている乳酸菌(L.カゼイ・シロタ株)とビフィズス菌ヤクルト株が、プロバイオティクス(人の健康に役立つ微生物)として安全で優れた健康効果を持つことを、国内外の消費者に分かりやすく伝えていくことに注力している。
広報室は、広報、編集、学術、消費者、IR(投資家向け広報)環境対策の各グループから成り、メンバーは28人。昨年10月には、キリンビールと合弁で、健康・機能性食品事業を展開する会社「キリンヤクルトネクストステージ」を設立。ビール酵母とビフィズス菌を組み合わせた新しい健康食品「BBcube(ビービーキューブ)」を発売した。新たな業務提携や商品展開に対する取材申し込みも相次いでおり、その忙しさに広報室は悲鳴をあげているとか。
「07年も現場と歩調を合わせながら、乳酸菌の有用性の理解促進、他社商品との差別化、ヤクルトのブランド価値アップを目指していきたい」と抱負を語る。(エフシージー総合研究所・山本ヒロ子)
フジサンケイ ビジネスアイ - 2007年1月4日
posted by masahiro @ 6:16 午後
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