2007/01/12

健康な発芽野菜光照射栽培を

発芽野菜(スプラウト)に適度な紫外線(UV)を当てることで、茎を鮮やかな赤紫色に変え、目の疲労回復に効果のある抗酸化物質・アントシアニンを増やす技術を確立した島根県農業技術センターと松下電工(大阪府)がこのほど、その光照射技術を応用した栽培方法を特許出願した。

 出願したのは、ソバなどのスプラウトに、三〇〇ナノ(十億分の一)メートル以下の波長を含まないUVB領域を照射して同成分の含量を増加させる栽培方法。同センターの鶴永陽子主任研究員が研究・開発し、松下電工が機材提供や照射技術のアドバイスをした。

 鶴永主任研究員は、ポリフェノールの一種で近視予防や肝機能改善などに効果のあるアントシアニンが、UVから身を守ろうとする植物内で多く作られることに着目。ブラックライトや殺菌灯などに使われるUV、栽培用ランプなど数種類の光線を使って実験を繰り返し、日焼けサロンなどで使われるUVB領域の一定の波長を除いた光線が最も効果的であることを突き止めた。

 すでに、斐川町内で試験栽培も始まっており、鶴永主任研究員は「これまでの自然光による栽培ではアントシアニンの量が安定しなかったが、この栽培法によって安定供給が可能になる」と説明。

 健康食品としてのほか、料理に彩りを添える食材としての有利販売につながることを見込む。今後、同センターで研究成果と栽培方法などを広める研修会を開く考えという。

山陰中央新報 - 2007年1月10日

posted by masahiro @ 5:31 午前

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