2007/01/20

海外ブランド 名古屋、大阪に大型店 市場は東京だけじゃない

複数の海外ブランドが、有力市場として力を入れる日本。東京を中心に店舗展開を進めてきたが、ここにきて「TOKYOマーケット」の成熟を指摘する声もある。そんな中、2007年は名古屋、大阪に直営大型店のオープンが相次ぐ。日本市場開拓に向けての新たな章が始まる。

 仏ルイ・ヴィトンは、トヨタの営業部門進出などで注目の名古屋駅前の超高層ビル「ミッドランドスクエア」1階に2月、路面店をオープンする。大型店としては11店舗目で、これで国内に54店舗を構えることになる。愛知、岐阜、三重といった東海地域の集客を一手に担える大型店を目指す。

 ルイ・ヴィトンジャパンは「(名古屋駅前)周辺の開発と合わせて小売り需要の大きな伸長が予想される」とみて、主力のバッグや革小物のほか、プレタポルテやウオッチ&ジュエリーなど、全品を取り扱う。ミッドランドスクエアの建設は、いずれも仏ブランドで、日本で人気急上昇中のクロエやクリスチャン・ディオールを名古屋に呼び込んだ。

 仏エルメスは4月に、関西地区で最大規模となる直営路面店を大阪心斎橋にオープンする。国内42店舗の中では、日本法人の本社機能を置く東京の銀座メゾンエルメスに続く、旗艦店。エルメスジャポンが「東京に並ぶビジネスの核」と位置づけている関西商圏の重要拠点だ。

 多くの海外ブランドが、2ケタ代の成長を続けてきた日本市場だが、近年は中国や東南アジアの勢いに押され気味。主力とする東京市場は、各ブランドが軒並み大型店を出店するなど既に、「市場は成熟期」と見る業界関係者も。

 そんな中、米コーチは「アクセシブル・ラグジュアリー(手の届くぜい沢)」をコンセプトに掲げ、日本市場で2ケタ成長を続けている。同ブランドは早くから、東京以外の都市も重視しており、「地方展開なしに成長は考えられない」というほど。数年以内には国内180店舗を目標にしており、昨年9月までに126店舗を展開した。

 コーチ・ジャパンによると「初進出したある地方都市の店舗では、来店者の7割が初めてコーチ製品を手にしたと答えた」という。同社は「現代は情報が抱負なだけに、地方ニーズはまだまだ眠っている」とみる。

 地方都市では、百貨店内の出店が多い海外ブランド。商品販売だけでなく「ブランドの世界観を示す」と位置づけられる大型店の展開は、新たなニーズの掘り起こしにつながる可能性がありそうだ。(滝川麻衣子)

フジサンケイ ビジネスアイ - 2007年1月14日

posted by masahiro @ 7:11 午前

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