中古輸出車、トラックごとコンテナへ 運搬船足らぬ名古屋港
名古屋港でコンテナに詰め込まれ、海外へ送り出される車が増えている。名古屋港の昨年1年間の車の輸出台数は新車、中古車を合わせて165万台を突破。
5年連続で増加しており、専用の自動車運搬船が足りなくなっている。苦肉の策として業者がコンテナに目をつけた。
名古屋市港区の金城ふ頭にある港湾運送会社、名港海運の物流センター。巨大なコンテナが積み上がるかたわらに、ワゴン車や四輪駆動車を荷台に載せたトラックがずらりと並ぶ。
トラックは車を載せたまま、作業員が運転してコンテナの中にゆっくりと入る。揺れ動かないようロープや木材で固定する。
コンテナは間もなく定期航路のコンテナ船へ。積み荷の車が次に日の光を浴びるのは、サウジアラビアの港に着いてからだ。
コンテナは幅約2.3メートル、高さ約2.6メートル。奥行きは約12メートルあり、トラックが2台入る。荷台に別の車を載せるのは、1台でも多く運ぶための工夫だ。天井にぶつからないよう、荷台の車はタイヤを外しておく。
自動車は通常、専用の設備をもった自動車運搬船で運ばれる。安全に効率よく運ぶためだ。雑多な荷物を扱うコンテナ船が使われる例は、これまでほとんどなかった。
だが、トヨタやホンダなどの自動車メーカーの輸出が好調で、昨年はじめごろから自動車運搬船の需要が急増。
これまで運搬船の空きスペースに積んでいた中古車の搬出が、船の都合がつかずに数カ月待たされる例も出てきた。このため名古屋港で中古車を中心にコンテナ船利用が始まったという。
コンテナに車を入れて運ぶのには、自動車運搬船で運ぶより費用がかかる。それでもコンテナ船は定期航路があるため、依頼しやすいという。
中古車の輸出を手がける名古屋市内の業者は、半年前からコンテナ利用に切り替えた。「昨年暮れにも現地の業者から50台の注文を受けた。値段は高くなってもいいから早く送ってほしいと言われ、コンテナにした」と話している。
「原油価格の高騰で燃費のよい日本車の人気が高まったようだ。輸送能力を超えた依頼が相次いでいる」。94隻の自動車運搬船を持つ大手海運会社の川崎汽船は話す。
名古屋税関によると、昨年1年間に名古屋港から輸出した自動車は速報値で計165万9840台。5年続けて増えている。サウジアラビアなど最近、伸びが目立つ中東諸国のほか、オーストラリアやロシアが多いという。
朝日新聞 - 2007/2/14
ラベル: 中古車、自動車運搬船
hotclick さんの投稿 @ 20:56
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