Shoot it! - #5 帰らざる男、noppo 18歳の旅立ち。?前編?
10月18日から22日まで、イタリアでWorld Cyber Games(WCG)が開催された。熱い5日間を戦った日本代表選手たちは、大きな舞台で世界の仲間と闘い、交流して帰国した。ただし、noppo選手を除いて?? noppo選手は今、スウェーデンにいる。今回はホームステイで3か月間滞在し、いったん帰国して準備した後、来年からはスウェーデンの国民学校に進学するつもりだ。世界最強のプロチーム「SK」がいる国、そして世界でもっともEスポーツが盛んな国、スウェーデン。18歳のnoppo選手は、アメリカでもなく、韓国でもなく、CS先進国のスウェーデンを選んだ。その後ライバルだった4dN.プロ志向はふくらみ続けた。そんなnoppo選手の選択がスウェーデンだった。彼がスウェーデン留学を決めたのか。開催地イタリアへ出発する前日にnoppo選手に聞いた。ノッポ、チビ、デブなどのメンバーでCLANを作っていた名残 「谷口純也です。18歳。文教大学付属高校から通信制の代々木高校に行って、卒業したけど大学には行きませんでした」 Eスポーツとは直接関係ないけれど、通信制の代々木高校の話が興味深かった。トラブルがあったわけではない。高校進学で、順調な波風の立たない人生が始まった。このままでいいのか、という戸惑い、あるいは焦りのような気持ちが彼の内側で暴れていた。勉強が嫌いだったわけではない。高校生よりも悩みが深いところにはまってしまったらしい。担任の先生とも話した。疑問もなく社会に出たくない、人間性を認めた言葉だった。親の奨めで通信制高校に編入する。最初の高校で悩みにはまっているとき、LEDZONE蒲田店に通い始める。きっかけはパソコンゲーム雑誌だった。蒲田は電車で3つめの駅。しかしnoppo自身は、気乗りしなかったという。 「面白くないよこんなのって。難しそうだったし。でも行ってみたら面白くて、そのうちに開店から閉店まで入り浸るようになった」 通っていくうちにLEDZONEの常連や店員と仲良くなって、toLというクランに誘われる。お客さんにPCを組んであげたらお客さんが減っちゃうかもしれないのに。しかし、LEDZONEにはネットにはない魅力がある。noppoはLEDZONEにも通い続けた。 「ネットでCSをやりながら、LEDZONEにも通っていました。gachaさんと知り合って、CLAN Jに入れてもらいました。昼はLEDZONE、夜はCS」 朝「行ってきまーす」とLEDZONEに行き、「ただいまー」と帰ってきたら部屋に直行してCS? 「そう(笑)。でも、高2くらいで“CS断ち”したんです。このまま遊んでるだけじゃいけないと思って」 人生について考えようと思った? 「いや、人生については前から考えていたんだけど(笑)。このままじゃダメになっちゃうと思った。周りの友達がバンドをやっていて、カッコいいと思って始めた」 ギターを担当し、ギター教室のレッスンにも通った。そんな気持ちでは上達しない。それは自分でも解っていた。 「そのとき、僕はカウンセリングに行っていて」 カウンセリング? 「バンドを辞める直前に、かなり落ち込んで無気力になっていたんです。で、気持ちが落ちたままバンドをやめて、何もしていなかった。それを親が心配して、カウンセリングに連れて行ってくれた」インタビューは羽田空港で行った。「CSに、この風景にそっくりのマップがありますよ」 何人ものカウンセラーに会った。先生とは違った。noppoは心を開き、悩みをぶつけた。そういう話を、先生は聞いてくれた。先生に話しながら、noppoの気持ちは固まっていった。CLAN ownsに入隊。腕を磨き、名前も知られ始めた。上に行きたい。AXGは大阪のプロチーム。海外にプロがある。気持ちがラクだ、ありのままの自分が出せる、と。会社員の父は半信半疑のまま。親としては寂しいやら、嬉しいやら、複雑な心境だったはずだ。無気力を案じてカウンセリングに連れて行った息子が、自発的に動こうとしている。昼間はネットカフェでバイトして、夜は練習、という話が、実際は違った。ネットが使えるし仲間がいる。慰留の繰り返し。11月に脱退し東京に帰った。noppoはプロチームを作ろうと計画する??
RBB Today - 2006年10月30日
posted by masahiro @ 2:20 午後
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