2007/02/07

利上げが及ぼす市場への影響

■本日の要点今回、日銀は利上げを見送りましたが、市場では2月には行われるとの意見が多いようです。利上げが行われると市場はどう反応するのか、についてレポートします。◇利上げが及ぼす市場への影響17日、18日の日程で開催されていた日銀政策決定会合が終了し、金利の据え置きが発表されました。これを受けて為替、金利、株式、それぞれの市場が今後どのように動いていくのか考えてみたいと思います。今回の政策決定会合開催前には、『0.25%程度の利上げが行われる』という見方が市場関係者の間では大勢を占めておりました。そして金融市場では利上げのコンセンサスを織り込みにいく動きになっていましたが、予想に反して利上げ見送りが決定されたことで金融市場では、水準訂正の動きが見られます。しかしながら、今回は見送られたものの2月には利上げが行われることが確実視されているようです。なぜなら今回の会合では全会一致ではなく、賛成:6 反対:3と票が割れたことや、2月中旬に発表される「10?12月期の国内総生産(GDP)」では個人消費の改善が見込まれているからです。したがって、一旦水準訂正が行われた金融市場で再び利上げを織り込む動きが始まると予測されます。このことで為替、金利、株式、それぞれの市場がどう影響を受けるのか、市場ごとに分けて解説します。<為替>外国為替市場では当面は円安・ドル高で推移するとの見方が大半のようです。米国の景気は依然好調であり、仮に日銀が2月に利上げに踏み切ったとしても、日本:0.25%、米国:5.25%という現状の大きく開いた日米の金利差に大きな変化はないため、現在の円売り・ドル買いの動きが継続するということです。また、円キャリー・トレード取引(低金利の円で投資資金を調達して、それを外貨に換え高い収益が期待できるものに投資する手法)の流れにも大きな変化はないことからも、円の上昇は限定的であるとの見方が大勢を占めているようです。<長期金利>長期金利の水準を確認するときに使用するのが、新発国債10年物の利回りです。長期金利については、仮に利上げが行われても2%を超えて上昇しないのではとの見方が出ているようです。この長期金利は今後10年間のその国の成長率を示すといわれており、現在は1.6%?1.7%前後で取引されています。しかし、市場が予想する今後10年間の平均物価上昇率である、期待インフレ率は0.5%と低水準で推移していることや、GDPデフレーターは依然マイナス水準となっていることから、『今後10年間は物価が緩やかにしか上昇しない』『日本のデフレは解消していないのでは』という見方があります。長期金利は、ゼロ金利政策が解除された2006年の4月、5月に2%に到達しましたが、本格的な上昇にはまだ時間が掛かるという見方が市場関係者の中では多いようです。▼『為替』や『長期金利』データについては、経済指標からご覧いただけます。<株式>では、上述しました為替や長期金利の動向が今後どのように株式市場に影響していくのかについてですが、結論を先に言うと今年の株式市場は堅調に推移していくのではないでしょうか。まず為替が円安傾向で推移すれば輸出関連企業が恩恵を受けます。日本経済の中心となっている輸出関連企業は為替相場の水準が円安になればなるほど業績が良くなりますから、投資家は業績の好調、さらには上方修正を期待して買いを入れると考えられます。輸出関連企業として挙げられる主な業種は、電気機器、精密機器などに多いハイテク企業や自動車などが挙げられます。一方、金利の影響については金利が現状の水準から上昇するとお金を貸している業種の利ザヤが拡大することで収益の増加が期待できると考えることができますので、銀行、保険、その他金融などが挙げられます。その反面、株式市場に上場している大半の企業は少なからず金融機関から資金を借り入れています。金利の上昇は借入金の支払利息が増えることになりますから、収益の圧迫要因になります。このことから、有利子負債の多い企業、設備投資に莫大な資金を必要とする企業が影響を受けるということが考えられます。一般的には建設、不動産、小売などの業種が挙げられます。しかし、そのような業種の企業が全て“ダメ”ということではありません。なぜなら今回はいざなぎ景気を超える景気となっているといわれており、企業の業績については過去最高益を更新する企業が続出しているわけですから、本業の業績が拡大していくことで金利上昇の影響を消化してしまうことも考えられるからです。<結論>今年に入りレポートで『今年の相場は面白くなる』とお伝えしております。これは2003年?2005年までの3年間の上昇後、昨年半年間かけて調整をおこなったため調整十分であるといえること、米国の経済も強調を保っていること、企業業績も好調であるといえることがその理由です。そして、今回レポートで取り上げました通り、為替、金利という面から分析した結果、やはり『今年は面白くなりそうだ』といえると思います。株式投資で成果を出すためには、十分な準備が必要です。この週末の時間を有効に活用して投資チャンスに備える準備をしてみてはいかがでしょうか。レポート担当:森田 英俊ケンミレ株式情報 - 2007/2/6
hotclick さんの投稿 @ 20:15

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