2007/02/07

上限金利下げで採算厳しく 店舗削減急ぐ消費者金融 顧客も選別、貸し渋り懸念 道内

昨年十二月の貸金業法(改正貸金業規制法)の成立で消費者金融などの上限金利が引き下げられるのを受け、採算の悪化を強いられる大手消費者金融各社が、相次いで店舗数の削減を打ち出している。「ディック」を展開するCFJ(東京)は全国の有人店舗の八割以上を閉鎖し、アイフル(京都市)も現状の四分の一まで削減する。業界の試算によれば、市場の縮小のあおりで融資を断られる人が全国で百万人に上るとされる。 CFJは、昨年末に三百二十店あった有人店舗を今春までに約五十店にまで削減。六店あった道内店舗もわずか一カ月の間に旭川駅前、函館美原など四店を閉め、現在は札幌市内の二店のみとなっている。本年度初めに全国に二百七十七店あった有人店舗を半減する計画のアコム(東京)も、十八店(信販営業部を含む)を数えた道内店舗を昨年末から次々と閉め、現在は十二店。今年三月までにさらに数店を閉める。 武富士(東京)やアイフルも全国的な店舗の統廃合を打ち出しているが、「道内店舗の具体的な廃止数は言えない」。プロミス(同)は「貸金業法のガイドラインが出てから考える」としている。 貸金業法では、二○○九年末までに上限金利を年29・2%から同20%に引き下げる一方、借り手の年収の三分の一を超す貸し付けを原則禁止する。これに伴い、現在約十一兆円とされる消費者金融の融資残高(クレジットカードや信販を除く)は、五兆円程度に半減するとみられている。 消費者金融業界は、融資の焦げ付きに備えた貸倒引当金など、融資残高に対する経費の比率が平均18%と高い。「上限金利の引き下げで平均の貸出金利は16%程度になると予測される」(大手業者)中、採算の悪化は必至で、各社とも信用力の高い顧客の選別や、店舗や人員の削減などの合理化を迫られている。 業界内では「首都圏などに比べ給与水準の低い北海道など地方では、貸し渋りは深刻化する」との指摘もある。札幌に本社を置くアースが消費者金融事業からの事実上の撤退を決めたように、事業撤退や再編が続くとの見方も強い。 消費者金融問題に詳しい石川和男・専修大客員教授は「消費者金融の市場規模がそもそも過剰ではなかったのか」と指摘。貸し付け拒否が相次ぐと予想される事態に対しては「政府系金融機関を活用した、資金供給の安全網を早急に整備する必要がある」と話している。北海道新聞 - 2007年1月27日
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hotclick さんの投稿 @ 15:15

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